60代・70代からの筋トレ|歩く・立つ力を育てるトレーニングとは
こんにちは。HIBIQA代表の藤倉翔吾です。
「以前より、椅子から立ち上がるのが大変になった」
「階段を上るとき、足腰の衰えを感じる」
「運動を始めたいけれど、もうこの年齢では遅いのではないか」
このような不安を感じていませんか。
60代・70代になったからといって、筋力づくりを諦める必要はありません。 現在の体力や健康状態に合わせたトレーニングは、筋力や日常生活に必要な動作能力の維持・向上に役立ちます[1]。
私が大切にしたいのは、鍛えた先にある暮らしです。
自分の足で買い物に行く。旅行先を歩いて楽しむ。家族と出かける。こうした時間をこれからも楽しむために、今の自分に合った運動を考えていきましょう。
今回は、高齢期のトレーニングで大切にしたいことと、HIBIQAが考える進め方をお伝えします。
高齢者の筋トレは、毎日の「できる」を支えるために
トレーニングというと、重いダンベルを持ったり、筋肉を大きくしたりする姿を思い浮かべるかもしれません。
高齢期の運動で大切なのは、日常生活で必要な動作を、自分の力で行える状態を保つことです。
食事や着替え、入浴、移動など、日々の暮らしに必要な動作を、専門的には「ADL(日常生活動作)」と呼びます。
普段の生活には、筋力やバランス、関節の動きやすさが必要な場面が数多くあります。
- 椅子やソファから立ち上がる
- 買い物の荷物を持って歩く
- 駅や自宅の階段を上る
- 外出先で、周囲の流れに合わせて歩く
一つひとつの動作を保つことが、自立した暮らしを支える土台になります。
そのため、トレーニングでは「何kgの重りを持てたか」に加えて、「普段の暮らしで何がしやすくなったか」を見ていくことが重要だと考えています。
歩く・立つ力には「筋パワー」も関係しています
歩く・立つといった動作を支えるうえで、筋力とともに大切なのが「筋パワー」です。
筋力は、筋肉が発揮できる力。筋パワーは、その力と動く速さの両方に関係する能力で、専門的には「力×速度」で表されます。
日常生活では、力を出せるだけでなく、必要なタイミングで力を発揮する場面があります。
椅子から立つときには、足で体を支えながら、上方向へ動かします。階段を上るときにも、体を持ち上げる力を動作につなげます。
こうした生活動作には筋パワーが関わり、高齢期のトレーニングでも、その維持・向上が重要になります[1]。
「力をつけること」と「その力を動きの中で使えるようにすること」。この両方を考えることが、暮らしに役立つ体づくりにつながります。
パワートレーニングは、段階を踏んで取り入れる
「速さが大切」と聞いても、急に立ち上がったり、反動をつけて運動したりする必要はありません。
まずは、安定した姿勢で動けること。呼吸を止めずに取り組めること。そして、痛みや不安が強くならない負荷を選ぶことが基本です。
そのうえで、必要に応じて指導者が動作の速さや負荷を調整します。
パワートレーニングでは、力を発揮する局面の速さを意識しますが、戻る動作まで勢い任せにするわけではありません。運動の負荷や速さは、一人ひとりの体力や健康状態に合わせ、安全に取り組める範囲で調整することが大切です[1]。

ウォーキングに、筋トレやバランス運動を組み合わせる
「毎日散歩をしているのですが、それでも筋トレは必要ですか?」
散歩やウォーキングは、活動的な生活を支える大切な習慣です。
続けられている方は、その習慣を大切にしてください。
そのうえで、立ち上がりや階段に不安がある場合には、その動作に必要な筋力やバランスにも目を向けたいところです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者には筋力・バランス・柔軟性などを含む多様な運動が勧められています。筋力トレーニングの目安は週2〜3日ですが、体力や健康状態に合わせて調整することが前提です[2]。
例えば、状態を確認しながら、次のような動きを取り入れます。
椅子からの立ち座り
椅子やトイレから立ち上がるときに必要な、足腰の力を育てます。
支えを利用したかかと上げ
歩行で使う、ふくらはぎや足首まわりの力を育てます。
手すりを利用した低い段差の昇降
階段や段差を移動するための動きを練習します。
安全な支えのそばでの重心移動
立った姿勢で体を支え、バランスを保つ練習につなげます。
すべてを行う必要はありません。ご自身が困っている動作や、これからも続けたい活動に合わせて選びます。
なお、これらは種目選択の例です。転倒への不安がある方は、一人で試さず、指導者と安全な環境で行いましょう。
HIBIQAが大切にする、一人ひとりに合った進め方
同じ70代でも、普段から運動している方と、長く運動から離れていた方では、取り組み方が異なります。
膝や腰の状態、疲れやすさ、運動への不安、通える頻度も人それぞれです。
HIBIQAでは、共鳴メソッドを通じて、体の状態と、ご本人の気持ちや生活の両方を理解することから始めます。
1.今の状態と、これから楽しみたいことを知る
最初に伺いたいのは、「どこがつらいか」だけではありません。
「旅行先で、家族と一緒に歩きたい」
「近所への買い物を続けたい」
「階段を上るときの不安を減らしたい」
その方が大切にしていることを共有し、姿勢や動き方、運動経験、既往歴などを確認していきます。
目標がご本人の楽しみと結び付くことで、日々の運動にも意味を感じていただけると考えています。
2.動きやすさに合わせて、運動を調整する
椅子の高さ、手で支える位置、動く範囲などを調整すると、取り組みやすさは変わります。
必要に応じてストレッチなどを組み合わせ、その日の状態に合った動作と負荷を選びます。
持病や術後の制限がある場合は、医師の指示を踏まえて進めます。
3.体の変化を、ご本人の実感につなげる
回数や重さだけでなく、「立ち上がるときはどう感じたか」「前より動きやすかったか」を一緒に確認します。
不安を置き去りにせず、ご本人が納得しながら取り組めること。体の変化を感じ、前向きに続けられることを大切にしています。
4.生活の中で続けられる形をつくる
運動の説明を詳しく聞きたい方もいれば、まず一緒に動いて覚えたい方もいらっしゃいます。
伝え方や取り組む量を調整し、ご自宅での活動と店舗でのトレーニングを、無理なく続く形にしていきます。
目指すのは、その方の「これからもやりたいこと」を支えられる身体づくりです。
高齢者のトレーニングについて、よくある疑問
70代で、運動経験がなくても始められますか?
年齢だけで、始めるのが遅いと決まるわけではありません。高齢者を対象とした研究でも、トレーニングによる筋力や動作能力の改善が報告されています[1]。
健康状態や体力を確認し、取り組める内容から始めましょう。
膝や腰に痛みがあっても相談できますか?
ご相談いただけます。痛みの経過や医療機関からの指示を伺い、運動できる範囲を検討します。
痛みが強い、急に悪化した、腫れがあるといった場合は、運動より先に医療機関での確認が必要です。痛みを我慢して回数をこなすことは勧めません。
毎日、筋トレをしたほうがよいのでしょうか?
毎日、同じ部位を強く鍛える必要はありません。運動後の疲れや回復も確認しながら、頻度を決めます。
まずは少ない量から始め、散歩などの日常活動も含めて、続けられる予定を考えていきましょう。
保土ヶ谷・中山で、これからの体づくりを相談したい方へ
HIBIQAでは、横浜市の保土ヶ谷店・中山店で、一人ひとりの状態に合わせたパーソナルトレーニングをご案内しています。
「ジムは若い人が行く場所だと思っていた」
「自分にできる運動があるのか知りたい」
その段階から、ご相談いただいて構いません。最初から高い目標を決める必要もありません。
今、気になっていることと、これから楽しみたいことをお聞かせください。ご自身に合った始め方を一緒に考えます。
HIBIQA保土ヶ谷店
神奈川県横浜市保土ヶ谷区西久保町53
植木第3ビル2〜3階
JR保土ヶ谷駅・相鉄線天王町駅から徒歩6分。
HIBIQA中山店
神奈川県横浜市緑区台村町324番地
平野ビル3階
JR横浜線・横浜市営地下鉄グリーンラインの中山駅から徒歩1分。
来店経路や階段の利用に不安がある場合も、ご予約前にお知らせください。
これからの暮らしのために、今できることから
年齢を重ねると、以前との違いに戸惑うこともあると思います。
そのときに、「年齢だから仕方がない」で終わらせず、今の自分にできることを見つけていただきたい。それが、私の想いです。
筋力を育てること。必要な場面で、その力を使えるようにすること。そして、ご本人が納得して続けられること。
これからも、自分の足で出かけ、自分らしく暮らすために。
HIBIQAは、皆様の一歩を支えてまいります。
HIBIQA代表
藤倉 翔吾
【参考文献】
[1]竹島伸生,窪田友樹,藤田英二.高齢者のADL向上のためのパワートレーニング.『Strength and Conditioning Journal Japan』29(1):4–14,2022年1・2月号.発行:特定非営利活動法人NSCAジャパン.
[2]厚生労働省.『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』.「高齢者版」「筋力トレーニングについて」
※本記事は、NSCAまたは論文著者による推奨・監修を受けたものではありません。