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ダイエット中の食事はどう選ぶ?糖質制限・脂質制限・断続的断食のメリットとデメリット

「痩せたいなら、夜のごはんは抜いたほうがいいですか?」

この問いへの私の答えは、「夕食の中身と、そこに至るまでの一日を見てみましょう」です。
同じように夜ごはんを食べる方でも、昼食が少なく、帰宅する頃にはお腹がぺこぺこの方と、三食たっぷりデザート付きで食べる方とでは、見直す場所が違うからです。

こんにちは。HIBIQA代表の藤倉翔吾です。

ダイエット中の食事には、糖質を控える方法も、脂質を控える方法も、食べる時間を決める方法もあります。
では、研究ではどんな違いが確かめられているのでしょうか。
今回は、成人の減量を対象とした研究をもとに、代表的な4つの方法のメリット・デメリットと、自分に合う方法の選び方をお伝えします。

糖質制限と脂質制限、どちらが痩せるのか

この問いを考えるうえで参考になるのが、米国スタンフォード大学の研究チームによる「DIETFITS試験」です。糖尿病のない過体重・肥満の成人609人を、食品の質を重視する低脂質食と低炭水化物食の2群に無作為に分け、12か月後の体重変化を比較しました。

平均体重の変化は、低脂質食でマイナス5.3kg、低炭水化物食でマイナス6.0kg。研究者は次のように報告しています。

“there was no significant difference in weight change”
「体重の変化に統計学的な有意差はなかった」(筆者訳)[1]

数字だけを見れば低炭水化物食のほうが0.7kg多く減っています。しかし、この試験の結果から「糖質を減らすほうが優れている」とまでは言えません。また、これは集団の平均値であり、どちらを選んでも一人ひとりが同じだけ痩せる、という意味でもありません。PubMed

成人の減量に共通する土台は、ある程度の期間を通じて、食事から摂るエネルギーが体の使うエネルギーを下回ることです。これを「エネルギー赤字」といいます。英国の公的機関NICEも、この状態をつくる方法として低脂質食・低炭水化物食などを挙げたうえで、食の好み、生活環境、健康状態に合わせて柔軟に選ぶよう勧めています[2]。毎食のカロリー計算が必須ということではありません。NICE

ダイエット中の食事法4つ|何を変えるのか、ひと目で比較

方法主に変えること選ぶ前に考えたいこと
緩やかな糖質制限(ローカーボ)主食の大盛りや甘い飲み物など、糖質の量を調整するごはんを残しながら、減らせるところがあるか
ケトジェニック糖質をごく少なくし、脂質を主なエネルギー源にする食品選びの制約が大きくても、栄養と生活の両方が成り立つか
脂質制限(ローファット)揚げ物、脂身、調理油などの量や頻度を調整する主食を残しながら、調理法やおかずを変えられるか
断続的断食(間欠的ファスティング)食べる時間帯や日を決める食事時間を絞ることで、強い空腹やまとめ食いが起きないか

「糖質制限」は幅のある言葉です。夕食のごはんを大盛りから普通盛りにすることと、ケトジェニックを行うことは、同じではありません。ここを分けて考えると、ダイエットの選択肢が広がります。

① 緩やかな糖質制限|ごはんを抜く前に、重なっている糖質を見直す

ローカーボは、炭水化物のうち、主に糖質の摂取を控える食べ方です。例えば、昼食が「ラーメンと半チャーハン」なら、まずは主食を一つにする。昼食そのものは変えにくければ、毎日飲んでいる加糖のカフェラテを無糖にする。これなら、ごはんや麺をすべてやめずに始められます。

メリットは、普段の食事の形を残しやすいことです。家族と同じおかずを食べながら、自分のごはんの量だけ調整することもできます。

デメリットは、「糖質が少なければ量を気にしなくてよい」と受け取りやすいことです。ごはんを減らした分だけチーズやナッツを食べ足せば、食事全体のエネルギーはあまり変わらないことがあります。また、豆類や果物まで一律に避ける必要はありません。何を減らすかと同じくらい、何を残すかが大切です。

低炭水化物食と、炭水化物をバランスよく含む減量食を比較したコクランの系統的レビュー(複数の研究を一定の手順で集めて評価したもの)でも、最長2年までの減量効果の差は、小さいか、ほとんどないとされています[3]。ごはんが好きな方が、減量のためだけに主食を諦める必要はありません。Cochrane Library

② ケトジェニック|糖質を厳しく抑える分、体重以外の指標も見る

ケトジェニックは、糖質を厳しく制限し、肝臓が脂肪酸からつくる「ケトン体」を、体がエネルギー源として多く使う状態を目指す食事法です。ここで区別したいのは、「脂質を燃料として使うこと」と「蓄積した体脂肪が減ること」です。食事から入ってくる脂質も燃料になるため、ケトン体が増えたという事実だけでは、体脂肪がどれだけ減ったかは分かりません。

メリットは、食品を選ぶ基準が明確なことです。また、血液検査の項目によっては改善が見られることもあります。糖尿病予備群または2型糖尿病の成人が、ケトジェニック食と地中海食をそれぞれ12週間試したスタンフォード大学の研究では、ケトジェニック食の期間に中性脂肪がより大きく低下しました[4]。Nutrition

一方、同じ研究では、ケトジェニック食のほうがLDLコレステロールが上昇し、食物繊維の摂取量も少なくなりました。血糖管理の指標であるHbA1c(過去1〜2か月ほどの平均的な血糖状態を反映する値)の改善には、両者で有意差がありませんでした[4]。これは対象者を限定した短期間の比較ですが、一つの検査値だけで食事法の良し悪しを決められないことが分かります。Nutrition

私が指導で重く見るデメリットは、主食に加えて、豆類や果物なども量を大きく調整するため、家族との食事や外食で選択肢が狭くなることです。まず甘い飲み物を見直すだけで目標に近づける方に、初めからここまでの制限を求める理由はありません。

③ 脂質制限|ごはんは残し、おかずの調理法を変える

脂質は1gあたり約9kcal、糖質とたんぱく質はそれぞれ約4kcalです。そのため、揚げ物や調理油が多い方は、食べる量を大きく減らさなくても、調理法を変えることで摂取エネルギーを調整できます。

例えば、とんかつ定食をごはん抜きで注文する代わりに、ごはんは普通盛りのまま、主菜を焼き魚に変える。昼食に揚げ物を選んだ日は、夕食の鶏肉は蒸してポン酢で食べる。これが脂質に着目した調整です。

メリットは、米や麺を残しやすく、定食や家族の献立に取り入れやすいこと。特に、ごはんを減らすとお腹が空く一方で、揚げ物やドレッシングも多い方には、試す理由があります。

デメリットは、油を減らすこと自体が目標になりやすいことです。魚やナッツに含まれる脂質まで一律に避けたり、「低脂質」と書かれた菓子をいくつも食べたりすれば、食事全体のバランスは整いません。私なら、焼き魚の脂を気にする前に、毎日何気なく使っているマヨネーズや、揚げ物を選ぶ頻度から一緒に確認します。

④ 断続的断食|「何を食べるか」より「いつ食べるか」を決める

断続的断食には、1日のうち食事をとる時間帯を限る「時間制限食」や、日によって摂取量を大きく変える方法などがあります。よく聞く「16時間断食」は前者の一例です。16時間空けることが、減量に必要な条件というわけではありません。

メリットは、食品を一つずつ計算するより、時間で区切るほうが分かりやすい方もいることです。例えば、夕食後に満腹でも、テレビを見ながら菓子をつまむ習慣がある方なら、「夕食後は無糖のお茶にする」と決めるだけで、夜食の機会を減らせます。この場合、翌朝の朝食まで抜く必要はありません。

デメリットは、仕事や家族の予定に合わせにくいことと、食べられる時間に空腹が集中しやすいことです。朝食を抜いた結果、昼前から仕事に集中できず、昼食を急いでたくさん食べてしまうなら、その時間設定はその方に合っていません。

2026年に公表されたコクランのレビューでは、過体重・肥満の成人において、断続的断食と通常の食事指導とで、減量効果にはほとんど差がない可能性が示されています。対象研究の追跡は最長12か月で、より長く続けた場合の効果や、有害事象については不確実さが残ります[5]。時間を決めることで暮らしが楽になるかどうかが、選ぶ際の一つの目安です。Cochrane Library

私の見解|夕食を食べすぎた日に、私がまず朝食を確認する理由

「夕食を食べすぎてしまうので、夜はごはんを抜いたほうがいいですか?」というご相談を受けたとき、私が最初に伺うのは、その日の朝食です。

多くの方にとって、前日の夕食から翌朝の朝食までは、一日の中で最も食事の間隔が空く時間帯です。
だからこそ、朝に何をどれくらい食べ、どのような栄養をとれていたかを確認します。
その際に大切なのは、その方がどのような方針で減量に取り組んでいるかです。
糖質を控えている方なら、朝食の主食が少ないのは意図した選択かもしれません。そこで一律に食品を足すのではなく、一日を通して必要なエネルギーや栄養素を確保できているかを見ていきます。

次に伺うのは、昼食の時刻と内容です。例えば、正午に軽く食べたきりで、夕食は仕事を終えた21時。「帰宅した時点でかなりお腹が空いていた」という方なら、夕食のごはんを減らす前に、朝食や昼食の量、食べる時間に調整の余地があるかを一緒に考えます。一方、夕食で十分に満足していても、テレビを見始めるとついお菓子に手が伸びるという方なら、見直したいのは食後の過ごし方です。

食事法を比較した研究は、減量の方針を決めるうえで大切な判断材料です。その知見を一人ひとりの生活に生かすために、HIBIQAでは、食事記録とあわせて「いつ空腹が強くなったか」「その日はなぜその食事を選んだのか」も伺います。そのうえで、お客様の目標や体調、仕事の時間に合わせて、どの食事をどう調整するかを相談しながら決めていきます。
続けてみて、体重の推移だけでなく、空腹の強さやトレーニング中の調子、食事を楽しめているかも振り返ります。負担が大きければ、方法を変えます。目標体重に届いたあとも自分で選べる食べ方を身につけていただくことが、私の目指す食事指導です。

なお、糖尿病の治療中などで薬を使用している方は、厳しい糖質制限や断食を自己判断で始めず、先に主治医へご相談ください。特にSGLT2阻害薬の使用中は、極端な糖質制限などがケトアシドーシス(血液が酸性に傾き、緊急の治療が必要になる状態)に関わる場合があります[6]。治療のための食事は、主治医・管理栄養士の方針を優先します。jds.or.jp

保土ヶ谷・中山・南林間で、ダイエット中の食事を相談したい方へ

「ごはんは減らしたくない」「仕事で夕食が遅くなる」。ご相談の際は、そうした変えにくいことからお聞かせください。普段の昼食や夕食を一つ教えていただければ、残したいものを大切にしながら、どこを変えられそうか一緒に考えられます。

店舗店舗案内・アクセス
HIBIQA 保土ヶ谷店(横浜市保土ケ谷区)店舗案内 / Googleマップでルートを確認する
HIBIQA 中山店(横浜市緑区)店舗案内 / Googleマップでルートを確認する
HIBIQA 南林間店(神奈川県大和市・FC店)店舗案内 / Googleマップでルートを確認する

食事法は決められても続けるのが難しいという方は、ダイエットが続かない方へ|食事と習慣を整えるHIBIQAの考え方もご覧ください。

執筆:藤倉 翔吾(HIBIQA代表)

引用・参考文献

[1]Gardner CD, et al. Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion: The DIETFITS Randomized Clinical Trial. JAMA. 2018;319(7):667–679. 米国国立医学図書館 PubMed(本文の英文は抄録「Conclusions and Relevance」から一部引用。日本語は筆者訳)

[2]National Institute for Health and Care Excellence(英国国立医療技術評価機構). Overweight and obesity management, NG246. 2025. 指針1.16「Dietary approaches」

[3]Naude CE, et al. Low-carbohydrate versus balanced-carbohydrate diets for reducing weight and cardiovascular risk. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2022;1:CD013334. 論文を読む

[4]Gardner CD, et al. Effect of a ketogenic diet versus Mediterranean diet on glycated hemoglobin in individuals with prediabetes and type 2 diabetes mellitus: the interventional Keto-Med randomized crossover trial. American Journal of Clinical Nutrition. 2022;116(3):640–652. スタンフォード大学による研究解説

[5]Garegnani LI, et al. Intermittent fasting for adults with overweight or obesity. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2026:CD015610. 論文を読む

[6]日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」ケトアシドーシスの項。

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